ベータアラニン

ベータアラニンは厳密には非必須ベータアミノ酸ですが、パフォーマンス栄養学やボディビルディングの世界では決して非必須ではないものとなりました。... ベータアラニンは筋肉のカルノシン濃度を上昇させ、高強度で実行できる作業量を増やすと言われています。

ベータアラニンは、体内で自然に生成される非必須アミノ酸です。ベータアラニンは非タンパク質構成アミノ酸（つまり、翻訳時にタンパク質に組み込まれないアミノ酸）です。肝臓で合成され、牛肉や鶏肉などの動物性食品を通して食物から摂取されます。摂取されると、ベータアラニンは骨格筋やその他の臓器内でヒスチジンと結合してカルノシンを形成します。ベータアラニンは、筋肉中のカルノシン合成における制限因子です。

ベータアラニンはカルノシンの生成を助けます。カルノシンは、高強度運動における筋持久力に重要な役割を果たす化合物です。

作用機序はこうだと言われています。筋肉にはカルノシンが含まれています。カルノシン濃度が高いほど、筋肉が疲労するまでの持続時間が長くなる可能性があります。カルノシンは、筋肉疲労の主な原因である筋肉内の酸の蓄積を調節することで、この効果を発揮します。

ベータアラニンのサプリメントはカルノシンの生成を促進し、ひいてはスポーツパフォーマンスを向上させると考えられています。

これは必ずしもアスリートの成績が向上することを意味するわけではありません。ある研究では、ベータアラニンを摂取した短距離走者は400メートル走のタイムが向上しませんでした。

ベータアラニンは、1～10分間続く高強度運動中の筋持久力を高めることが示されています。[1] ベータアラニンの補給によって強化される可能性のある運動の例としては、400～1500メートルのランニングと100～400メートルの水泳が挙げられます。

カルノシンは、主にタンパク質代謝の異常を抑制することで抗老化作用を発揮すると考えられています。これは、変性タンパク質の蓄積が老化プロセスと強く関連しているためです。これらの抗老化作用は、抗酸化物質、毒性金属イオンのキレート剤、そして抗糖化剤としての役割に由来すると考えられます。